いわき市医師会からの健康情報(広報いわきに掲載されたものです。)

心的外傷後ストレス障害
 最近、PTSDという病が一般的にも認知されるようになりました。事故や犯罪、災害、生命に危険が及ぶほどの体験をしたりそうした場面を見たりすると、心に深い傷(心的外傷、トラウマ)を受けます。そのために直後から、遅くても四週間以内に不安や解離(意識もうろう状態など)、感情麻痺(まひ)などの精神障害を呈するものを「急性ストレス障害」といいます。これは、通常四週間程度で治まりますが、その後も同様の症状が続く場合、これを「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」と呼びます。
 PTSDの症状としては、次のものが挙げられます。1.侵入的反復的想起=トラウマを受けた状況を繰り返し思い出したり、その夢を見たりする。そしてそうした状況に関連のある場所や人を避けるようになる。2.感情麻痺=感情が麻痺して周囲に対して反応しなくなったり、興味を持っていたことへの関心を失ったりする。3.覚醒(かくせい)亢進(こうしん)状態=悪夢で眠れなくなったり、周囲の出来事に過剰に反応したり、怒りやすかったりする。
 昨年は、新潟中越地震が起こり、福島県でも「心のケア」医療チームが結成され、いわき市のチームが昨年末に新潟県へ派遣されました。治療には、薬物療法と精神療法が併用されましたが、特に精神療法では、患者にトラウマ体験を話させて感情を発散させることに重点が置かれました。