いわき市医師会からの健康情報(広報いわきに掲載されたものです。)

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野兎(やと)病

 先日、珍しい病気が市内の病院で見つかり、本県では12年ぶりとのことで注目されました。この聞き慣れない病気、実は本県の大原八郎博士(故人)が約80年前に初めて原因を明らかにし、「野兎病」と名をつけた、県ゆかりの病気なのです。 この病気は野兎病菌で起こるのですが、人への感染は死んだ野ウサギを素手で扱う時に起きます。料理で皮をはぐ時が特に危険で、健康な皮膚でも菌が入るといわれています。感染すると数日で高い熱が出て、ひじや脇の下のリンパ腺が腫れてきます。国指定の感染症でもあり、野兎病と分かればすぐ保健所へ届けますが、人から人へは伝染せず、隔離の必要もありません。またいったん感染すると強い免疫ができます。早期の治療が効果的ですが、まれな病気なので、「野ウサギに触った」ことを診察の際に話すと診断の助けになります。   しばらく途絶えていた病気ですが、今回見つかったことで、現在もその菌が野ウサギの間に潜んでいることが明らかになりました。この菌の感染力は強く、過去にはカラスやキジの大量死を招いたこともあるそうです。また、クマ、リス、ムササビなど森の動物にも感染することが知られており、野ウサギにだけ注意しても安心はできません。  いずれにせよ、野生動物には常に感染症の危険がつきものです。安易に捕えたり料理して食べるのは慎んだ方がよさそうです。

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