- 2022.12.20
- 医師会からのお知らせ
共同記者会見について
3年ぶりの冬休みは行動制限がないのではなく、充分な感染対策が大前提です
いわき医師会会長 木村守和
はじめに第8波の感染拡大で新規感染者が一日あたり500人を超える状況となり、コロナ対応と通常診療に追われ医療機関はひっ迫状況となっています。
これ以上の感染拡大は、通常医療に支障を来たし救急医療で救命ができなくなるなどの事態を招く可能性があります。
「行動制限のない冬休み」などとメディアで繰り返されていますが、「感染対策を十分講じた上での行動再開」と呼び変えてほしいと思っています。
これまでの取り組みと現在の状況
3年にわたる新型コロナウイルスパンデミックに際して、いわき市医師会は各医療機関・薬剤師会・保健所・市役所などに声かけして、保健所を会場に新型コロナ対策会議を42回にわたり開催してきました。
いわき市医療センターと8つの医療機関の協力による入院診療体制をとり、入院診療体制は福島・郡山・会津若松などに引けを取らない体制となっています。宿泊療養体制についてもこれらの医療機関と病院協議会の協力で、症状悪化時の入院医療機関との連携も良好です。
現在市内における感染者の入院ベッド使用率は約40~50%で推移していますが、入院した高齢者などは医療・看護面の対応だけでなく介護面での対応が必要で医療機関の負担が大きくなっています。認知症の方などが徘徊したり、暴力的になったりする場合もあり、さらに負担が大きくなっています。
病院・診療所の外来は、新型コロナワクチンに加えてインフルエンザワクチンの接種を行っている上、発熱者への診療検査を行う必要があり、通常の診療を制限してもめいっぱいの状況です。
現在以上に感染が拡大すれば、病院では手術などの延期をせざるを得なくなり、救急医療がひっ迫し救命ができなくなるなどの事態を招く可能性があります。診療所でも通常医療の維持が困難となり、診療の希望に応じられなくなる可能性があります。
住民の皆様に、以下の3点について呼びかけます。
1.受けることができる方は、ワクチン接種を受けましょう
現在、12歳以上にはオミクロン対応ワクチンの接種が行われています。また、生後6ケ月から接種は可能ですので、積極的に受けていただきたいと思います。なおインフルエンザの同時流行も懸念されていますので、インフルエンザワクチンの接種も積極的に受けていただきたいと思います。
2.感染経路を意識して、基本的な感染対策を徹底しましょう
いつも一緒の人以外は、ウイルスを持っている可能性があります。新型コロナウイルスは、感染者からの飛沫及びエアロゾルを吸い込むことによって感染が広がります。お互いに不織布マスクを正しく着用し、換気することが大切です。
3.3年ぶりの冬休みは行動制限がないのではなく、充分な感染対策が大前提です
遠方の家族が帰省して会う場合や帰省した友人と会う場合、帰ってくる方はPCR検査や抗原検査を活用してください。会食時は感染リスクが高まりますので、PCR検査や抗原検査が行えない場合は飲み物だけにするとかマスク会食にするなどの対応をお願いしたいと思います。
おわりに
医療資源には限りがあり、限度を超えると助かるいのちが助からなくなります。
自分や家族・友人の健康を守るため、いわきの医療を守るために、住民すべてが危機感を共有して行動していく必要がります。
いわきの住民の皆様の力を結集し、この難しい局面を乗り切って参りましょう。